Webに限らないアクセシビリティあれこれ
アクセシビリティに関する動きは活発で、IT 業界以外でも様々な分野で進展が見られる。医療現場のアプリ開発や美術館の取り組み、民事裁判の IT 化など、アクセシビリティに対する関心が高まっている。ただ、アプリのアクセシビリティについてのガイドラインや法整備がまだ足りていないとの指摘もある。米国 ADA 法と日本法の現状についても整理されている。
Webアクセシビリティの参考資料まとめ
アクセシビリティに関する動きは活発で、IT 業界以外でも様々な分野で進展が見られる。医療現場のアプリ開発や美術館の取り組み、民事裁判の IT 化など、アクセシビリティに対する関心が高まっている。ただ、アプリのアクセシビリティについてのガイドラインや法整備がまだ足りていないとの指摘もある。米国 ADA 法と日本法の現状についても整理されている。
今までは当事者不在のまま、おそらくこうじゃないかという手探り状態ですすめていたが、実際ところどうなのか、というのを知りたかった。その状況を変えるため、社内のヘルスキーパーチームにインタビューを行ったという活動を紹介している。
note が短期間で機能的にも組織的にもアクセシビリティが進んだ要因は、多くのユーザーインタビューを実施したことにある。note でなぜアクセシビリティに注力するに至ったか、どのようにユーザーリサーチを実施し、それを社内に広め、活用したのかについて解説している。
弁護士ドットコムは、ロービジョンの方を呼んでユーザーテストを行い、検証結果に基づき改善を進めている。ロービジョンの方がサイトを利用する上で感じた問題点として、見えづらさが挙げられた。そのため、コントラストを判定するツールを使用することが重要である。また、重要でない情報は色だけでなく、文字のサイズやコントラストを下げることでも表現できるが、ロービジョンの方には意図が伝わりにくいため注意が必要である。
弁護士ドットコムでは、全盲の方に続いて「弱視(ロービジョン)」の方をユーザーテストに招いた。ロービジョンの状態によって見え方は異なるため、画面を拡大したり、色を反転させたりすることで対処している人もいる。また、iPad のように本体を手に持って顔に近づけることができるデバイスの方が、PC よりも拡大縮小がしやすく、動画を見るのにも適しているという。
freee 株式会社の中根雅文氏を招いて行った弁護士ドットコムのユーザーテストでは、スクリーンリーダーを使った検索での問題点が明らかになった。また、カルーセルの理解や Web フォームの問題点も指摘された。テストで用意されたタスクを中根氏が実施する中で、同音異義語問題にも対処する必要があった。Google 検索結果には目には見えない見出しが設定されているため、スクリーンリーダーで見出しジャンプ機能を使用することで、検索結果の一覧に直接アクセスできることが分かった。
ユーザーテストの成功の 8 割は事前準備にかかっている。ユーザーテストの目的は、アクセシビリティ上の問題を発見し、サービスの改善を行うことと、支援技術の利用シーンを実際に見てもらうこと。リクルーティングやテスト会場、端末の用意、シナリオ作成、同意書と謝礼の用意など、ユーザーテストには準備が必要。ユーザー数や属性、募集方法も検討する必要がある。
note は、ウェブアクセシビリティの向上に力を注ぎ、あらゆるクリエイターが note での創作を楽しめるようにプロジェクトチームを発足。2022 年 3〜5 月には、10 名以上の障害当事者にユーザーインタビューを実施し、カイゼンを進めた。これにより、キーボード操作やショートカットキーなど、操作方法の選択肢を増やすことがアクセシブルなプロダクトにつながることが学ばれた。さらに、機能のカイゼンや社内整備、イベント登壇など、アクセシビリティ強化施策を実施している。クリエイターの意見・要望を受け、引き続き創作活動がしやすい環境づくりを進めていく。
日本視覚障害者 ICT ネットワーク (JBICT.Net) が 2022 年 4 月から 5 月にかけて実施した第 2 回支援技術利用状況調査の結果をまとめたもの。日本において、もっぱら視覚に障害がある人を対象に、どのような環境で Web を見ているのか?がわかる。
日本視覚障害者 ICT ネットワーク (JBICT.Net) が 2021 年 4 月から 5 月にかけて実施した第 1 回支援技術利用状況調査の結果をまとめたもの。日本において、もっぱら視覚に障害がある人を対象に、どのような環境で Web を見ているのか?がわかる。
2021 年に公開された note の新エディタにおいて、キーボード操作のみでの文字の太字化やスクリーンリーダーによる適切な読み上げが可能になるなど、アクセシビリティが大幅に向上した。この改修により、マウス操作が難しいユーザーや片手しか使えないユーザー、スクリーンリーダーを使用しているユーザーにも利便性が向上した。note では、ユーザーリサーチを通じてアクセシビリティの向上に取り組み、ユーザーの声を取り入れることが重要であると考えている。
2019 年 7 月 30 日に開催された「Japan Accessibility Conference Vol.2」のセッションの 1 つ『全盲エンジニアが iOS/Android/WebUI エンジニアにダメ出しした結果』の動画。パネルディスカッション形式で、障害当事者で自社サービスのユーザーでもある中根雅文氏が、サービスを実装している社内のエンジニアに対して送った“建設的フィードバック”について各エンジニアが答えている。そのほか、開発の中でアクセシビリティーを意識するようになったのはいつ頃か、アクセシビリティーを意識した開発に必要な情報はどのように集めているか、アクセシビリティー改善に取り組んでみて直面して難しかったことや簡単だったことなどの質問にも答えている。
CEATEC JAPAN 2019 で開催されたアクセシビリティセミナー 2019 のレポート。Web アクセシビリティについての 2 つのセッションが行われ、第 1 セッションは障害者の Web の利用方法を知る内容が、第 2 セッションはなぜ企業が Web アクセシビリティに取り組む必要があるかが紹介されている。アンケートの結果も掲載され、セミナーへの参加者からは高い関心が寄せられたことが伺える。
ゲームソフト『Sekiro』にアクセシビリティを求める声が、ゲームの難易度を下げたイージーモードを求める声と混同されているとする話の翻訳記事。
しかし、翻訳した編集部によると、アクセシビリティと難易度が混同されているという前提はそれほど見られず、ほとんどはゲームが難しすぎることに対した素直な意味でのイージーモードを要求している議論が多く、それらの議論ではユーザビリティに近い意味でアクセシビリティという言葉を意図的に使っているのではないか、と推察しているという。
2019 年 6 月 1 日に開催された「CSS Nite LP62『Web アクセシビリティの学校』特別授業」のセッションの 1 つ、『辻ちゃん・ウエちゃんのアクセシブル GO GO!!「スクリーンリーダーで『Backlog』を使ってみる」の巻』のフォローアップ。スライドと動画が公開されており、スクリーン・リーダーを使って Backlog を操作する方法や、スクリーン・リーダー自体の操作方法についても紹介されている。
2019 年 6 月 1 日に開催された「CSS Nite LP62『Web アクセシビリティの学校』特別授業」のセッションの 1 つ、松森果林氏の『誰もが隣にいる人と一緒に楽しむために』のフォローアップ。このセッションのスライドと動画が公開されており、普段から聞こえない人や見えない人、車いす使用者などを想像する習慣をつけると世界が違って見えるようになること、聴覚障がい者向けの字幕の必要性など、聴こえない世界や聴こえにくい世界について考えるきっかけになってほしいと述べている。また、手話の本や、ダイアログ・イン・サイレンスというエンターテインメントを紹介し、参加を呼びかけた。
2019 年 7 月 30 日に開催された「Japan Accessibility Conference Vol.2」のセッションの 1 つ『Ask Us Anything』の動画。全盲・弱視・ロービジョン・色弱・難聴・肢体不自由の障害当事者との質疑応答が収録され、「Web や ICT 技術によってできるようになった例を教えて」「企業や団体の最近のアクセシビリティ関連の取り組みでよかったものは?」「WCAG、JIS X 8341-3:2016 は当事者に認知されているか、障害者差別解消法の施行についてどう感じているか?」「多くの官公庁サイトで実装されている文字拡縮・色反転・読み上げ機能は使ってるか?」「障害当者と健常者のコミュニケーションで、どうであったら嬉しい・ありがたいなどあるか?」の 5 つの質問に答えている。
障害当事者がウェブページを利用する様子の動画が掲載されている。
視覚障害の当事者へのインタビュー記事。視覚情報なしに iPhone を使ってキーボード入力をする動画が掲載されている。触知可能な腕時計や点字ディスプレイの話などもあり。
アクセシビリティ専門家であり、ロービジョンの当事者でもある伊敷政英氏による、Web で便利になった実体験の事例紹介。
障害当事者がインターネットを利用する上で感じたリアルな意見が動画で紹介されている。古いながらも数が多く、とても貴重な資料。